西安通信

第1回「中国整体と鍼灸について」


カイロと中国整体は全く違う

 カイロプラティックとは脊髄矯正のことです。曲がった脊髄を正常な状態に矯正します。中国整体とは中国では「推拿」と呼ばれています。日本でいう「あんま」は皮膚の表面への刺激で、これに対し「推拿」は広く深い面への刺激です。骨、筋肉、筋など外科的治療に効果があるばかりでなく、風邪や生理痛といった内科などの治療にも使われます。

中国の鍼灸師はお医者さん

 日本の鍼灸師やマッサージ師は、専門学校で3年間勉強した後、国家試験を受けて資格を取らなければなりません。ただしカイロの施術師になるのには国家試験は不要です。中国では中医学院(中国医学の大学)で5年間、中医学論から学びます。鍼灸や推拿、漢方薬の処方など、どのコースに進むにしろ中医学の知識がなければできません。つまり中国の鍼灸師はお医者さんと同じなのです。中国の病院には西洋医学の内科、外科とは別に、中医科、鍼灸推拿科が必ずあります。

中国整体と鍼灸の効果

 中国整体も鍼灸も、中国医学の基礎である「四診」に基づいておこなわれます。「四診」とは(1)望診(舌や身体の表面の状態を見る)、(2)聞診(匂いをかぐ)、(3)問診(症状や食生活等について質問する)(4)切診(脈をみる)の四つです。中医医学では病状をやわらげるだけでなく、病気のもとの原因を治炉癒することに重点を置きます。例えば同じ腰痛でも、筋や骨を痛めた場合は整体だけで治ります。しかし内臓が原因の場合は、整体だけで痛みはやわらぎますが又繰り返し再発してしまいます。内蔵機能の異常には鍼灸治療が効果的です。腰が痛いのにお腹や脚にまで鍼を刺すのは、腰痛の元である内臓を治療しているのです。鍼灸は整体に比べて刺激が強く、深くて持続性があります。又数ヶ所動じに刺激を与えることが可能です。しかし整体のように骨の歪みなどを直すことは出来ません。ですから整体と鍼灸を併せて行えば、よりよい治療効果が得られるのです。

西安ミニ知識

 西安は中国西北地区で最大の規模を誇る国際都市です。昔は長安と呼ばれ、13代の王朝、73人の皇帝が都を置き、3000年もの歴史があります。秦始皇帝兵馬俑、玄宗皇帝と楊貴妃のロマンスが香る華清池など多くの史跡があり、またシルクロードの起点としても有名です。日本からは成田より直行便で約5時間です。