生理痛は何故起こるのか
女性の生理は身体の重要な新陳代謝の一つです。しかし多くの女性が生理痛に悩まされています。生理痛には下腹部の痛みだけでなく、腰痛、頭痛も含まれます。生理痛は子宮だけの病気ではありません。中国医学における生理痛は、肝・脾・腎の効能と深い関係があると見ています
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証候
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痛みの
期間
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痛みの
性質
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痛む場所
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量と色・質 |
その他の
症状
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経絡
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証型
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肝
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気血の
うっ血
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1〜2日前から
生理中 |
張った感じ押されるのを拒む |
へその両側・へその下 |
量は少ない・赤紫の塊が出る |
胸部及び乳房の張り |
脾経
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寒・湿気の
停滞
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数日前から生理中常時下腹部に痛みがあり生理中にひどくなる |
絞られるような痛み温めるとやわらぐ押されるのを拒み灼熱感がある |
へその周囲及び尾骨の上 |
量は少ない小豆の煮汁のように赤黒い粘りけのある塊が出る |
さむけ身体の冷え黄色く匂いのあるおりものが出る尿の量が少なく黄色い |
腎経
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気血の
虚弱
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生理中終了後1日 |
わずかな痛み押されるのを好む |
へその周囲及び腰 |
量は少ない薄い色で水っぽい |
血色が悪く力がない食がほそいのぼせ 耳鳴 |
各臓腑の効能を低下させる原因は様々です。内因では精神的ストレス、怒り、外因では冷え、風邪ひき、過冷食品の取りすぎ、消化不良などが挙げられます。日本人には肝気不足によるうっ血が多く見られ、肩こりや頭痛を伴うこともあります。
正常な生理とは
期 間: ○5〜7日 △3〜5日 ×3日以下 7日以上
量と色: 3日目まで多く、きれいな赤。200cc以上は月経過多。
周 期: 約一ヶ月(24〜30日)。周期の前後7日以内のズレは問題なし。
貧血、低血圧など身体の弱い人は、生理の排出にエネルギーを消耗し疲れる為眠くなったり甘いものを欲しがります。生理中イライラするのは肝気不足によるもので、ひどくなると鼻血が出ることもあります。太っている人や油っぽい食べ物を好む人の多くは胃と脾が弱っており、生理の量は少ないようです。
年に数回しか生理が来ない、毎回の量が極端に少ないなど、正常に排出されなかった血液は子宮に残り固まってしまいます。体内に吸収されることもありますが、長期にわたると子宮筋腫の原因となるので注意が必要です。
生理不順の原因のほとんどは内因です。日頃ストレスは上手に発散してむやみに怒らないよう心掛けること。生理中は身体の保湿に注意し、過冷食品は極力避けて下さい。慢性の生理痛や生理不順の場合は、早めに専門家に相談し治療を受けましょう。鍼治療は全体のバランスを整えるのでかなりの効果があります。
うっ血を治すショウガと黒砂糖のスープ
(1)鍋にカップ1杯の水とショウガの薄切り3〜4片を入れて沸騰させる。
(2)黒砂糖を好みの量加え、熱いうちに飲む。身体を温め、血液の循環を良くするスープです。生理が来そうで来ないときにどうぞ。
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