西安通信

第8回 婦人科特集 その二


おりものについて

  正常なおりものとは、生理前と妊娠期間中の白色のものだけで、それ以外はすべて何らかの身体の異常反応です。中医学の婦人科では、おりものを「帯下病」といって一種の病気とみなし、治療を勧めています。

特 徴
伴う症状
原 因
無・白色
粘り毛があり無臭だらだら出る感じ 倦怠感、脚のむくみ尿が出にくい、便秘 油もの、甘いものの過食による胃と脾の効能低下
水っぽく常時出ているが自覚無し 目眩、のぼせ、不眠腰がだるい 先天性の虚弱体質、セックスや出産過多による腎の効能低下
黄色
粘り、臭いが強い塊や膿状が出る 食欲不振、口の渇き目眩、
陰部の痒み
セックス過多、陰部不衛生による炎症、体内の湿熱過多
茶色
少量の出血を伴う 生理不順、皮膚の痒み、不安感 体力低下、気血不足

出産後は大手術の後と同じ

排卵から生理までの間、女性の身体は卵巣や子宮だけでなくすべての臓腑がフル活動しています。排出される頃の身体はオーバーヒート状態です。ですから余計な負担をかけぬよう、生理前は生ものや過冷食品、油もの、お酒などを控え、むやみに怒って肝を傷つけないようにすることが大切なのです。妊娠、出産はこうした女性の身体の働きの極めつけといえるでしょう。出産後の身体は体力、抵抗力が極度に低下している為ちょっとしたことが思わぬ病気につながります。中国では、出産によって母体は身体の一部を失い、陰部はその傷口なので普段より何倍も注意しなければならず、産後にかかった病気は死ぬまで治らないと恐れられています。しかし日本では妊娠中は神経質なまでに気を使いますが、出産後はすぐ元の生活に戻す人が多いようです。
 出産後、身体が完全に快復するには約半年かかります。特に最初の3ヶ月間が、その後何十年もの体調に影響を及ぼすので厳重な注意が必要です。

かかりやすい病気
関節の痛み、しびれ・筋肉痛・喘息・涙目・頭痛・便秘・腰痛・肛門下垂・子宮下垂・不眠・生理不順
原    因
春、秋の風・夏の冷房・冬の寒・生もの、過冷食品による体内からの冷え・ストレス・早期、過度のセックス
注意すべき事
風と寒を極力避ける為、季節を問わず長袖長ズボンを着用し関節を露出しない・冬場は手袋、マスクも兼用すると良い・3ヶ月間は冷たいもの(水や金属のてすり等)に触れない・過冷食品は厳禁・卵や鶏肉等、栄養価の高い動物性タンパク質を毎日食べる・洗髪後はすぐに乾かす・1ヵ月後から軽く運動を始め、筋肉の衰えを快復させる

 更年期における生理

 更年期の閉経は40代後半から50代にかけて起こります。生理が2ヶ月に1回、3ヶ月に1回とだんだん周期が長くなってゆき、やがて閉経します。毎回の量は比較的多めですが、少なくても異常ではありません。ただし生理前特有の下腹部痛や腰痛があるのに排出されないのは新陳代謝の異常ですから治療が必要です。  閉経によって卵巣は縮小し、その際陰部の痒み等の症状が出ることもありますが自然に治ります。