西安通信

第12回 中国整体・鍼治療のQ&A


中国製体・鍼治療は万病に効く?

治療効果の高い病気
効果の低い病気
・性病
・成人病(特に糖尿病の初中期)
・新陳代謝や内分泌に関する病気
・内科(各臓腑の効能性異常、潰瘍も含む)
・婦人科(更年期障害、生理不順、不妊)
・外科(捻挫、スポーツ障害)
・傷による後遺症、骨折
・急性の炎症(盲腸、肺炎など)
・ガン末期・ 著しい体力低下による不調

 中国製体(推拿スイナ)や鍼治療の目的は、局部的な痛みや不快感を取り除くだけでなく、体内のバランスを整えて身体全体の調子を良くすることです。特に鍼は数ヶ所同時に刺激を与え、臓腑の機能調節に高い効果があります。推拿でも同じ効果を得ることは出来ますが、推拿は筋肉や筋など、どちらかというと内部よりも身体表面の治療に効果的です。推拿と鍼を併せて行えばより高い効果が得られます。どちらも人体に対し無害で、薬のような習慣性はありません。しかし、これらの治療はあくまでも「調節」であり、人間が本来持っている自然治癒力を高めることしかできず、ウイルスを即座に殺したり、失った体力を補うことは残念ながら不可能です。

何故推拿はあんなにも痛いのか?

 私たちの体中に何百もあるツボはすべて臓腑の反応点です。臓腑の働きが悪くなると、スムーズに流れるべき「気」や「血」が関連するツボでつまり、痛みを感じるようになります。推拿はつまったものを分散させる治療です。押されて痛いのはそれだけ反応がでている=つまっているということで、押す力の強度は関係ありません。
 精神面が原因で体調が悪い方は、ツボへの反応が出にくいので強く押しても余り痛くありませんが、治療に時間がかかります。反対に臓腑の機能低下が原因の方は、治療にかなりの痛みを伴うものの、比較的に早い効果が得られます。
 鍼治療では場所にもよりますが、大体2〜3cmの深さまで刺します。そんなに深く刺したら内臓に穴があくのでは?と思われるかも知れませんが、鍼は内臓や神経、静脈などを避けて刺していますし、当治療院で使っている鍼は約0.2mm、髪の毛ほどの細さです。内臓はすべて脂肪の膜に守られているので、穴があくことはまずありません。また、治療後にだるくなったり、下痢をしたり、痛かった所が更に痛くることがありますが、これは正常な反応で治療効果のひとつです。1〜2日で自然に快復します。

何回治療すれば治るのか?

 治療の回数や間隔は、患者さんの体質、病状によって決まります。元々身体の弱い方は、病状が軽くても治療に時間がかかります。3〜4日に1回の間隔で7回以上は必要です。身体の丈夫な方は病状が重くても、隔日か3日に1回の間隔で集中的に治療すれば3〜4回で快復します。どなたでも、最初のうちの治療効果は約3日間で、その後はまた段々に身体のバランスが乱れてきます。大きく乱れる前に再度治療を行えば効果が長く続き、やがては常に正常な状態を保つことができるようになります。
 生まれつき身体の弱い方、免疫が弱っている方、長く患っている方、慢性病(肝炎、糖尿病、リウマチ、痛風、アレルギー、生理不順など)の方の治療は、時間も回数もかかります。最低でも1週間に1回の治療が必要です。長く期間をあけると前回の治療効果はゼロになり、ふりだしに戻ることになってしまいます。
 推拿も鍼灸も、施術師が行う治療は全体の50%にすぎません。残りの50%は患者さん本人の努力です。不摂生な生活のまま健康になりたいと願うのは無理というもの。「自分の身体は自分で治す」という気持ちを持つようにしましょう。