痛む場所によって原因は異なる
一般的に「腰」とは、腰椎の1番から5番までを指します。「腰痛」といっても、この範囲のどのあたりがどう痛むかによって原因は様々です。
部位
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原因と特徴
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1~2番
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脾、胃、肝、腎など臓腑の反応だるい 重い感じがする 寝てても痛む |
2~4番
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筋肉の損傷 激しく痛むが場所は移動せず 休めばよくなる |
4~5番
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姿勢が悪い 生殖器,大腸などの反応尾骨やおしりまで痛む だるい痛みヘルニアになりやすい |
痛みの原因を正確に知ること
日本で腰痛の大御所といえば「ギックリ腰」と「椎間板ヘルニア」でしょう。ギックリ腰についてはNo4でお伝えしましたが骨や筋肉は関係ありません。過労、ストレス、不摂生な食生活などによって肝や腎の機能が低下し、気血がつまってしまった状態なので、注射で痛みを抑えても、臓腑の働きをよくしなければ必ず再発します。中国人に比べ、日本人は生ものや冷たい飲物を好むため発生率は高いようです。
椎間板ヘルニアとは、交通事故や長期にわたる重量物挙上などの原因で、腰椎の間の椎間板が変性、炎症を起こし、中心にある髄核が後方へ移動して神経を圧迫するため激しい痛みを伴います。重度の場合はこの髄核の摘出手術しか治療方法はありません。しかし日常生活において、まして女性やお年寄りがなることはごくまれです。
背骨や骨盤が歪んでいるので肩がこったり腰が痛いと訴える患者さんのうち、矯正が必要な方もごくまれで、症状は臓腑の反応だったという方がほとんどです。人間の身体はきっちり左右対象ではありませんし、筋肉の動きにそって骨が動くのは自然なことなのです。それを無理に矯正すると、改善されるどころか逆効果となることもあります。もし本当に背骨がずれたり歪んだりしたら、ヘルニア同様激しい痛みが24時間続きます。その時はプロの矯正が必要です。長い間西洋医学に慣れ親しんできた日本人は、どうしても速効性を重視し、症状を局部的にとらえがちです。自分の腰痛の原因が腎臓の機能低下によるものなので、辛い食べ物は控えるようにと言われても納得できずに矯正や湿布を試したり・・・痛みの原因を正確に認識するのが治療の第一歩であることをお忘れなく。
腰痛を予防するには
寒・風・湿の予防 |
寒い所、風の強い所、湿度の高い所で長時間座ったり寝たりしない・汗や雨で濡れた衣服はすぐに着替える・身体を内側から冷やす食べ物(冷たい飲物、生野菜、果物,刺身など)は控える |
適度な運動 |
鼻から吸って口で吐く呼吸をしながら散歩、足上げ運動、腰を回す体操などを毎日行うこと・スポーツの前は十分に準備体操をする |
高齢者で、仰向けに寝る時は背筋が伸びるのに立つと背中や腰が曲がってしまう 症状を中医学では「老年性気血虚弱」といいます。気の元である下腹部に力がない
ため体を起こした時に上半身を支えられず、前へ倒れてしまうのです。病気がちで ある、セックスや出産の回数が多いなど、気を消耗すると若い方にもみられます。
あなたの背筋はいかがですか?
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