発病の6〜7割は精神と関係あり
神経性胃炎の原因がストレスであることはよく知られていますが、中医学ではほとんどの病気は精神と密接な関係があると考えています。下記の症状は、特に精神面に左右されるものです。
・ 高血圧 ・喘息 ・肥満 ・糖尿病 ・頭痛 ・多汗症 ・難聴 ・耳鳴り
・ 肋間神経痛 ・不眠 ・肩こり ・イライラ ・生理不順 ・不妊症 ・膀胱炎
思春期から更年期までは、誰でも精神的な浮き沈みが激しく、多くの出来事が人生の刺激やエネルギーになったりします。しかしそれを自分の中でうまく処理出来ないと身体に悪影響を与え、思わぬ病気を招くことになるのです。病気の原因となるストレスは、「外部」と「内部」に分けられます。「外部」とは外からの刺激で、仕事で失敗した、恋人と喧嘩したなどのストレスです。「外部」のストレスは原因がはっきりしています。その件が解決してしまえばもう終わり、後には残らないものですからそれが元で病気になっても簡単に治療出来ます。厄介なのは自分で色々考えすぎてストレスを作ってしまう「内部」の方です。これはその人の性格によるものなので、治療しにくく、ひとつ病気が治ってもまたすぐ別の症状が出る事がよくあります。
精神の免疫を強くする
「内部」のストレスを作りやすいタイプは、几帳面で真面目、神経質、自分の意見を外に出せない内向的な人と、意外に思われるかもしれませんが他人への要求が強いわがままな人に多いようです。共通しているのは逆境に弱い点で、前者は自分を責めて落ち込み、後者は他人や社会のせいにして不満がたまってきます。どちらも解決につながらないことを考えすぎて病気になってしまうのです。
「性格だから仕方がない」とあきらめてはいませんか?自分の性格が災いして病気になったり、治る病気が治りにくかったりするのは人生の無駄使いです。辛い出来事もうまく乗り越えれば精神の免疫となります。どうすればこの免疫が強くなるかを考え、努力するべきです。身体も精神も、自分で鍛えて守るしかありません。
・考えても解決しないことをいつまでも考えない。
・気持ちの切り変えを心がける。職場のストレスを家で考えない。
・出来事は素直に受けとめる。何故?どうして?と思っても起こってしまった事は変わらない。
・他人のせいにする前に自分を鏡に映してみる。相手に何か望むときは、理想でなく現実の自分を基準に考える。
・自分の世界に閉じこもらない。他人と話すことは考えの消化剤になる。
・他人と意見が合わないのは当然のこと。相手が「変」なのではなく「違う」だけで、自分と100%考えが合うのは自分しかいない。
・病気になっても治す意思と自信を失わないこと。
春は身体の転換期
日に日に暖かくなってきて桜前線が近づく頃、気持ちの良い季節のはずなのになんとなく体調がすぐれないということがあります。疲れやすい、のぼせる、だるい、頭痛などの症状は、春という季節のせいなのです。人間の身体には自然界と同じように一定のサイクルがあります。身体にとって春は一年の中の転換期です。普段健康な人もこの時期には風邪をひいたり、昔の病気が再発したりします。陽気がいいからと薄着をしたり、夜遊びを続けるのは危険です。
春といえば花粉症ですが、これも身体の転換期と花粉の飛ぶ時期が見事にマッチした現代病です。スギの木は昔からありましたし、家族の中で一人だけ症状が出たり、ある年突然発病したりするのは、環境ではなく個人の免疫の問題といえるでしょう。花粉症に悩まされている方は、この時期は絶対に冷たい飲物や刺身などのなまものは食べないようにして下さい。これだけでも随分症状がやわらぐはずです。
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