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第17回 養生について その二 精神(2) |
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病気の原因を認めることが治療の第一歩 No16で、ほとんどの病気の原因は精神的ストレスによるものだとお伝えしたところ、患者さんの反響は大きく分かれました。「そう言われてみれば思いあたる」と「信じられない」の二つです。ストレスは質も量も目で見ることが出来ません。どの位のストレスでどんな病気になるのかも人によって異なります。自分の性格は明るいほうだし特にストレスを感じたことはないと思っている方や、ストレスが原因で病気になる程自分は精神的に弱くないと思っている方には確かに信じがたい病因です。しかし現に患者さんの身体には様々な症状が出ています。一番多いのは急に肩や背中(特に肩胛骨の下)、下肢が痛くなることです。喧嘩したり激しく怒ったり、不幸があってショックを受けた後によく起こります。これは中医学でいう「気」がつまった状態です。整体治療だけで簡単に痛みはとれますし自然に消えてしまうこともあります。けれどもその事件についていつまでも考えたり悩んだりしていると、「気」がつまるだけでなく、色々な病気につながります。 自分を知る、そして相手を理解する 会社の上司と合わない、嫁の気がきかない、老人の世話で疲れる、夫婦仲が悪い、志望校に入れない・・・ストレスの種類は様々ですが、基本は「自分の思い通りにならない」ではないでしょうか。世の中のすべての事が自分の希望通りになり、他人が皆自分と同じ考え方なら何も問題は起こりませんが、現実はその反対です。「どうして〜〜ではないのだろう?」という不満がストレスを生みます。 更年期は夫婦の転換期でもある 近年日本における離婚率が最も高いのは、40代後半から50代にかけてといわれています。この年代には大きな出来事が多く、心身ともに疲れる時期なのでしょう。 ・ 定年 ・子供の結婚、同居か別居かの問題 ・老人の看護 ・親との死別 子供が巣立った後、夫婦はまた二人きりの生活を迎えることになります。新婚時代に比べると、お互いに肉体的にも精神的にも変わっています。ここで再度自分を知り相手を理解することが大切です。自分を家政婦扱いする夫、だらしない格好でワイドショーを見る妻等々相手の欠点は目につくものの、自分の採点は甘くなりがちではありませんか?そして「夫婦なら言わなくても分かるだろう」というのは日本人男性の理想にすぎません。現代では夫婦でも親子でも会話は必須です。しかし家に帰るなり奥さんからまくしたてられては話す気も失ってしまいます。夫婦間のコミュニケーションを上手にとって、夫婦で更年期を乗りきるようにしましょう。 |
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