西安通信

第19回 中医学から見た食べ物 (1)


*食べ物は一番安全な薬である

 「医食同源」という言葉があるように、食べ物には身体の様々な症状に効く成分が含まれています。それぞれの効能を知り、毎日の食事に役立てましょう。
 「性」とは身体を温めたり冷やしたりする作用を「熱・温・平・涼・寒」に分けて表しています。「平」は中性のことです。
  「帰経」とはその食べ物がどの臓腑経脈の病変に効果があるかを示したものです

品名
帰経
効能・効果
脾・胃腎
除熱、解毒、胃のもたれ、吐き気、糖尿病、下痢、お粥にして産後の栄養補給に
小麦
心・脾腎
除熱、喉の渇き、のぼせ、糖尿病、腫れ物、火傷、胃潰瘍の人は米よりも小麦を主食にした方が良い
豆乳
肺・大腸膀胱
体力が弱った時の咳や痰には碗の中に生卵を一つ入れて沸騰した豆乳を注ぎ、砂糖で味付けして飲む。
緑豆
心・胃
除熱、解毒(特に毒薬)、浮腫、下痢、腫れ物、体内の余分な熱を取り除くので夏に最適
黒ゴマ
肝・腎肺・脾
貧血、目眩、白髪、歯のぐらつき、下肢がだるい、便秘(便が乾燥している)
豚の心臓
補血、精神安定、動悸、発汗、不眠、血虚性の動悸にはナツメと煮込んだスープが良い
豚の肝臓
やつれて血色が悪い、鳥目、目の充血、浮腫、脚気、ほうれん草と煮込んだスープは貧血、鳥目に効く
豚の足
補血、虚弱体質の栄養補強。炒った黒ゴマを粉にして豚足スープと共に飲むと母乳不足に効果あり
牛の胃袋
胃・脾
気血不足、糖尿病、目眩。ハトムギと共にお粥にすると脾の機能を高め、食欲不振や軟便に効く
牛の筋
補血、肝機能を高める、産後、術後、外傷時の栄養補給、貧血。大根やにんじんと煮込んでスープに
羊の肉心臓

脾・腎
下肢がだるい、寒がり、睾丸の冷え、夜の頻尿、ストレスによる胸の痛み、動悸
羊の乳
胃・心
虚弱体質、糖尿病、胃のむかつき、嘔吐。沸騰させた乳にすりつぶした山イモを混ぜて飲むと良い
鶏肉
脾・胃
産後の栄養補給には毎食でも可。食べたらすぐ太る人やいくら食べても太れない人にも良い
鶏の肝臓

肝・腎
子供の胃腸障害、妊娠中の出血、視界が暗くなる、鳥目