西安通信

第20回 中医学から見た食べ物(2)


 「性」とは身体を温めたり冷やしたりする作用を「熱・温・平・涼・寒」に分けて表しています。「平」は中性のことです。
 「帰経」とはその食べ物がどの臓腑経脈の病変に効果があるかを示したものです。

品名
帰経
効能・効果
脾・腎
利尿、腹水、脚気、黄疸、咳、吐き気、むくみ、母乳が出にくい
イカ
肝・腎
血虚性の生理異常(何ヶ月もこない時など)、不正出血、おりもの、母乳不足
ほうれん草
脾・肺
貧血、止血(鼻血・血便)、糖尿病、便秘。根の赤い部分が最も鉄分が多い。下痢の人は禁止
セロリ
肺・胃
高血圧、目眩、のぼせ、目の充血、腫れ物。身体が冷えて舌が白い人や下痢の人は禁止
白菜
腸・胃
解熱、肺に熱がある咳、便秘、床ずれ。白菜のスープは大小便不利や喉の渇きに良い
れんこん
脾・胃
生食では除熱や止血に、加熱すると胃の働きを高める。化学変化を起こすので調理の際、鉄器は厳禁
大根
肺・胃
消化、解毒、咳、声が出ない、吐血、鼻血、お腹の張れ、ため息、偏頭痛、糖尿病、小便不利
にんじん
肺・脾
脾と胃の虚弱、貧血、低血圧、消化不良、下痢、咳
鳥目
トマト

肝・脾
トマトとすいかの汁を合わせて飲むと、夏の風や発熱
イライラ、喉の渇き、食欲不振に効く
なす
脾・胃
大腸
除熱、鎮痛、肝炎による黄疸。秋以降のなすは寒性になるので身体の弱い人は食べ過ぎないように
へちま
心・肝
除熱、解毒、痰を伴う咳、痔、不正出血、おりもの
母乳が出にくい、のぼせ、暑がりの人に最適
にがうり
心・肝
脾・肺
除熱、解毒、暑気あたり、口内炎、目の充血。胃と脾が弱く身体が冷えている人は禁止
とうがん
肺・大小
腸・膀胱
利尿、解熱、解毒、水虫、下痢、皮膚の痒み、むくみ
咳、糖尿病、痔、お腹の張れ、脚気
かぼちゃ
脾・胃
消炎、鎮痛、解熱、殺虫。習慣性流産にはへたを乾燥させ、粉末にして妊娠2ヶ月以降に飲むと良い
きゅうり
脾・胃
大腸
除熱、利尿、解毒、喉の痛みと腫れ、急性結膜炎
胃と脾が弱く身体が冷えている人は禁止