西安通信

第21回 中医学から見た食べ物(3)


 「性」とは身体を温めたり冷やしたりする作用を「熱・温・平・涼・寒」に分けて表しています。「平」は中性のことです。
 「帰経」とはその食べ物がどの臓腑経脈の病変に効果があるかを示したものです。

品名
帰経
効能・効果
きくらげ
胃・大腸
下血、眼底出血、不正出血などの止血、高血圧、貧血。ナツメときくらげのスープは虚弱な女性に最適
肺・胃
発熱による喉の渇き、咳、便秘、糖尿病。脾が弱く下痢気味の人、寒さを伴う咳には不向き
腸・胃
消化を助け、腸を潤す。特に胃酸が少なくて消化不良の人は食後に食べると良い
肺・心
大腸
咳、吐血、高血圧、肥満。虚弱体質、産後、体内の湿度が高い人には不向き。蟹と共に食べてはダメ
ライチ
脾・肝
体液の分泌を盛んにする、喉の渇き、吐き気、胃の痛み、歯痛、外傷による出血
くるみ
腎・肺
咳、足腰に力が入らない、男性の精力減退、便秘、
つわり、吐き気。食べ過ぎは消化に悪いので注意
すいか
胃・膀胱
除熱、利尿、解毒、喉の渇き、糖尿病、急慢性腎炎
むくみ、歯痛。皮も共に食べた方が効果的
落花生
脾・肺
通便、から咳、胃のむかつき、脚気、母乳不足。貧血には赤い渋皮も共に食べた方が効果的
黒砂糖
脾・胃
気血の流れを良くする、冷えによる腹痛、生理不順豆腐、ショウガと煮て飲むと慢性気管支炎に効く
ニンニク
脾・胃
解毒、殺虫、消化、気の流れを良くする、冷えによる腹痛、下痢、風邪の予防
ショウガ
肺・胃
発汗、肺を温め咳も止める、消化、吐き気、下痢、胃の痛み、胃のむかつき、生理痛
サンショウ
脾・肺
鎮痛、殺虫、冷えによる腹痛、嘔吐。皮膚の痒みには水に溶かして塗ると良い(飲んでも可)
肝・胃
止血、解毒、殺虫、産後の目眩、黄疸、鼻血、吐血
下血、陰部の痒み、多肝
醸造酒
(老酒)
肝・肺
気血の流れを良くする、風や冷えによる腹痛、胸の痛みやしびれ、打ち身(塗ってマッサージする)
ゴマ油
大腸
通便、解毒、消化不良、できもの、潰瘍、皮膚のひび割れ