* 脳貧血と鉄欠乏症貧血
脳貧血とは一時的に頭に血が行かなくなった状態です。子供が朝礼で倒れたり、電車の中で急に気分が悪くなり、目の前が白くなって冷や汗がでてきたりと症状は派手ですが座って休めばすぐに治ります。脳貧血は健康な人でも睡眠不足や肉体疲労、極度の緊張などで一時的に体調を崩して起こすこともありますので、そう頻繁でなければ心配はいりません。
鉄欠乏症貧血とは、血液中のヘモグロビンがなんらかの原因で減少し、血が薄くなった状態のことです。立ちくらみ以外にも動悸や息切れ、食欲不振などいろいろな症状を伴います。主な原因としては、(1)食べ物から鉄分を摂取していない、(2)外傷や妊娠・出産による出血で鉄分をうまく吸収できない、(3)内臓から出血している(4)臓腑の機能に問題があり、鉄分をうまく吸収できない、の四つが挙げられます。
* レバーを食べても治らない貧血とは
上記の(4)に該当する貧血の場合、身体が鉄分を吸収できないので、どんなにレバーを食べても鉄分の錠剤を飲んでも効き目はありません。反対に気分が悪くなったり吐き気をもよおすこともあります。まずは機能が低下した臓腑の働きを元に戻すことが大切です。
*貧血に関係する臓腑とその機能、及び低下の原因
臓腑
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機能
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機能低下の原因
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脾
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胃とともに鉄分を消化吸収する。脾胃の機能が低下すると血管がもろくなって出血しやすい |
暴飲暴食、過冷食品や生ものの食べ過ぎ |
心
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血液を正常に循環させる。血液が薄いとポンプ機能が過剰に働き、動悸や息切れを起こす。 |
過度の喜怒哀楽、胃腸障害の影響 |
肝
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血液の貯蔵、血量の調節 |
ストレス、過度の飲酒 |
腎
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血液を含む体液の代謝、調節。血液を動かす精気の源でもある |
塩分や刺激物の取り過ぎ、先天性虚弱 |
*貧血の原因でもある臓腑と伴う症状
心と脾:めまい、動悸、息切れ、手足に力が入らない、味覚がない、声が小さ
く低い、早期閉経、不眠、不安感
肝と腎:めまい、目の充血、耳なり、腰と下肢がだるく力が入らない、
夢精、寝汗頬が赤くほてる、手足が熱い、イライラする
脾と腎:顔が青白い、精神肉体ともに疲れやすい、手足の冷え、顔のむくみ、
腰と下肢がだるく力が入らない、息切れ、会話がおっくうになる、
食欲不振、汗をかきやすい、下痢、血便、月経の出血が止まらない
*ワンポイント推拿 脳貧血
両手首にある内関(ないかん)というツボは、胸や胃の痛み、 不眠などの治療に使われますが、気付けにもなります。脳貧血 乗り物酔い,吐き気などをおさえるのに効果的です。
また、心臓やてんかんの発作時における救急処置にも使えます。風邪通しを良くして、手首から指3本分の所を強く押しながら、鼻から吸って口から吐く呼吸を繰り返してみましょう。
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